リコーグループの大規模ネットワーク基盤の再構築に ジュニパーネットワークスの製品群が採用

リコーグループの全国 約500拠点3万4千ユーザーを支える ネットワーク基盤の運用効率化と安全性向上を実現

ジュニパーネットワークス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:古屋知弘、以下、ジュニパーネットワークス)は本日、株式会社リコー(本社:東京都大田区、代表取締役 社長執行役員:山下良則、以下、リコー)が、グループの全国約500拠点3万4千ユーザーを支える大規模なネットワーク基盤を再構築するため、ジュニパーネットワークスの製品群を採用したことを発表しました。エッジルーター「MX480」、サービスゲートウェイ「SRX5800」、イーサネットスイッチ「EX9214」、データセンターファブリックスイッチ「QFX5100」をはじめとしたジュニパーネットワークスの製品を全面的に採用し、従来抱えていた様々な課題を解決、ネットワーク基盤の運用性、安定性、安全性を大幅に向上しました。

採用の背景

リコーグループでは、多数の関連企業と拠点を抱えており、事業所のLANは個別に管理、WANは通信事業者のマネジメントサービス、インターネット接続はアウトソーシングを利用するという、複数の異なるオペレーションが混在する状況が続いていました。

しかし、クラウドの活用や働き方改革が進むにつれ、ユーザーからのITインフラに対する要求が高まり、それまでの運用体制ではネットワーク機能の品質を保つことが難しくなってきていました。特に2010年頃からは、下記の3点に関連したネットワークのトラブルや具体的な要求が多くなっていました。

  • インターネット接続関連:インターネット接続を担うプロキシサーバーは、接続数が急増して対応できなくなっていたため、ネットワークが遅い・Webページが見えないなどのクレームが多くなり、一部のクラウドアプリケーションが正常に機能しないという問題も生じていました。また、IaaSのような新しいインフラを活用したり、新しく開発したアプリケーションを評価したりする際に、プロキシに対応する必要があることが疑問視されていました。個々に調整や専用回線などが必要になるため、コストと効率性も課題となっていました。
  • WAN関連:複数の拠点をつなぐWANに関しては、ある拠点の条件変更が他の拠点に影響してしまうことが課題となっており、グループ全体でバランスを取ることが難しくなっていました。また、運用を通信事業者のマネージドサービスに任せていたため、ユーザーのニーズに迅速に応えることができない状況でした。
  • LAN関連:データセンターやインターネットへのアクセスが増大するにつれて、接続性の低下が課題となっていました。このトラブルに対応するためには、LAN、WAN、インターネット接続の各担当者が個々に調査する必要があり、解決スピードの低下に加えて、調査・調整コストが増加していました。また、事業所ごとで管理しているLANがスタティックルーティングで構成されていたため、WAN接続を含むネットワークの追加や変更の際には各所ですりあわせを行う必要があり、柔軟性も課題となっていました。

採用基準

リコーは、こうした課題を解決するため、2011 年ごろからネットワークの再構築を進めていました。多くの拠点とグループ企業、3万4千人規模のエンドユーザーを抱える同グループでは、さまざまな要求や問題、あるいは技術トレンドの変化に応えていくため、中期的な計画で改善・強化に取り組んでいます。

ネットワークの再構築にあたって、リコーグループは設計・構築・運用を自前で行うことを目指す中、当初は2 名のスタッフで運用していました。少数精鋭で大規模なネットワークを運用するためには、効率的でシンプルな運用を実現することが重要となるため、技術・製品の選定条件として1)設定が簡単でミスを減らせる技術であること、2)自動化が容易であること、3)業界標準の規格・プロトコルに対応してインターオペラビリティが確保できることの3 つを最優先しました。そして、これらの条件を満たす製品として選ばれたのがジュニパーネットワークスの各種製品でした。

特に、製品の中核を担う「Junos OS」については、分類の異なる機器、上位機種でも下位機種でも設定方法が統一されていることにより、運用負荷が軽減される点、さらにPython などのオープンソースソフトウェアを用いた自動化が容易にできる点が高く評価されました。

ネットワークイメージ図、および今回導入した製品

採用による効果・今後の展望

現在、リコーグループのネットワークインフラでは、主要なWAN回線とインターネット接続のほか、それらを束ねるコアルータとして「MX480」、ファイアウォールには「SRX5800」、イーサネット スイッチ「EX9214」、データ センター ファブリックスイッチ「QFX5100」を導入しています。最新の「Juniper Penta Silicon」を採用した「MX480」は、「MPC-10E」ラインカードで1/10/100GbEの高密度を実現するとともに、スロットごとに1.5 Tbpsのスループットとデータプレーンでのセキュリティを提供します。また、「SRX5800」のログをSIEMに取り込んで脅威を可視化できるようになったため、さらなるセキュリティ強化が実現しました。

全国約500拠点のLANについては、2017 年ごろから順次コアスイッチの入れ替えを行っており、集中管理の体制を進めています。特に大規模拠点では、大型ハイエンドスイッチをQFXシリーズおよびEXシリーズに置き換えて、「バーチャルシャーシ」技術で統合したことにより、設置スペースは1/2、消費電力も1/3 に軽減することができました。

さらにリコーでは、2018 年中にSRXシリーズの導入を促進しており、これに自動化をはじめとするテクノロジーを組み合わせた「Software-Defined Secure Network (SDSN)」を活用することで、安全性と効率性を両立したネットワークの実現を目指しています。

本リリースに対するコメント

今回の採用にあたり、株式会社リコー デジタル推進本部 和久利智丈氏は次のように述べています。「ジュニパーネットワークスは、機器の導入前から細かなアドバイスを提供し、構築時の課題解決などにも柔軟に対応してくれました。インターネット技術が進化を続ける一方で、新しいインターネットの脅威も登場しています。今後も高品質な技術と製品、サポートの提供により、リコーのプロジェクトを支援していただきたいと思います。」

ジュニパーネットワークスの代表取締役社長 古屋知弘は次のように述べています。「今回、リコーグループの大規模ネットワークの運用効率化・自動化に貢献できたことを大変嬉しく思います。引き続き、セキュリティの強化も含めてリコーグループのネットワーク強化に貢献できるよう、ご支援させて頂きたいと考えております。」

参考資料:

ジュニパーネットワークスについて

ジュニパーネットワークスは、私たちのつながり方、働き方、生活に変革をもたらすクラウド時代において、製品、ソリューション、サービスにより、複雑なネットワークの簡素化を実現します。弊社は、顧客とパートナー企業に向けて、世界をつなぐ、自動化、拡張性を備えたセキュアなネットワークを提供するため、ネットワークをそれまでの制約から解放します。ジュニパーネットワークスに関する詳細な情報は、以下をご覧ください。
http://www.juniper.net/jp/TwitterFacebookYouTubeJ-Net(最新情報提供サイト)

Juniper Networks、Juniper Networksロゴ、Juniper、およびJUNOSは、米国およびその他の国における Juniper Networks, Inc.の登録商標です。その他、記載の各名称は、各所有者に所有権があります。