オランダのプロバイダ、BGPコンバージェンスの所要時間を分単位から秒単位に短縮

ネットワークのルーティングテーブル急増の課題を抱えていたA2B Internetは、仮想ルーティングの基盤をインストールしてスピードアップを図りました。

A2B Internetは、低遅延接続を提供するオランダの大手プロバイダで、IPアドレスとルーティング管理サービスも提供しています。お客様のトラフィックが増大するにつれ、同社は、リンクで障害が発生した場合の再ルーティングパフォーマンスを向上させる方法を探し求めていました。

概要


会社名 A2B Internet
業界 サービス プロバイダ
使用製品 MX Series
地域 EMEA
A2Bの画像
お客様企業の導入事例の概要

将来のネットワーク自動化のためのプラットフォーム

BGPルーティングテーブルコンバージェンスが数分から3~4秒に短縮

信頼性とパフォーマンスを向上させるために、お客様をマルチホームさせる費用対効果の高い方法

単一の物理サーバーで複数のルーターを仮想化する柔軟性

課題

 

A2Bのお客様は、手頃な価格で高レベルの安定性と迅速なコンバージェンスを求めています。ビジネスの成長の負荷に耐え、最新のネットワークパフォーマンスを維持する必要がありました。A2Bは、低遅延のパフォーマンスを維持するため、より迅速なルーティングテーブルのコンバージェンス、ネットワーク自動化、IPv6ソリューションのシンプルな実装方法を必要としていました。

「コンバージェンス時間は私たちにとって非常に重要です。リンクがダウンした場合、最も重要なことはルートの高速コンバージェンスです」と述べるのは、A2B Internetの創設者であるErik Bais氏です。「当社のテクニカルチームは、他のサービスプロバイダでジュニパーのソリューションとサービスと連携してきた長い歴史があり、MXシリーズが必要な規模を提供できることがわかっていたので、非常に短いコンバージェンス時間と豊富なソフトウェア機能を組み合わせたジュニパーのソリューションを調査し始めました。」

BGPスタックを交換する画期的かつ費用対効果の高い方法を見つけるだけでなく、A2B Internetは、IPv6ソリューションを実装し、俊敏性を向上させ、増加する自動化の基盤を構築するよりシンプルな方法を望んでいました。

A2B Challenge
ソリューション

 

同プロバイダは、ジュニパーのvMX仮想ルーティングを導入しました。キャリアグレードのvMXルーターは個別の制御プレーン、転送プレーン、管理プレーンを備え、ジュニパーネットワークスのJunos®オペレーティングシステムを、x86チップセットを使用して標準サーバー上で実行します。A2B InternetはvMXを、Linux Ubuntuオペレーティングシステムで稼働する専用ベアメタルサーバーに対応したオープンソースのハイパーバイザーで実行します。

A2B Internetはその課題を解決するために、Juniper Networks® vMX仮想ルーターを選択しました。x86チップセットを使用してJuniper Networks Junos®オペレーティングシステムを標準サーバーで実行することにより、プラットフォームでは物理的なMXシリーズの3Dユニバーサルエッジルーターとの完全な機能と運用の一貫性が確保できます。 

「私たちはMXシリーズルーターの機能に精通していました」とBais氏は述べています。「そして、ラボで仮想MXを見た後、本番ネットワークに直接移行することに決めました。仮想MXは、MXシリーズとJunosオペレーティングシステムの機能と安定性を、最新の仮想パッケージで提供してくれました。」

A2B Internetは、オープンハイパーバイザーでvMXを実行します。サーバーは、vMXがSR-IOVを使用して仮想環境から直接ネットワークカードに対処できるようにします。「これにより、通常の仮想環境で予想されるラグがなくなります」とベイス氏は述べています。「ですから、仮想ルーターで高速インターネットを獲得できます。そして、数時間でシステム全体を稼働できました。」

A2B Internetは、vMXにIPv6を実装することは非常に単純なことに気づきましたが、それはIPv4サービスをvMXに切り替える前にラボで検証されました。A2B Internetは、インターネットに対するすべての接続にvMXルーターを使用しています。 

A2B Solution
成果

 

A2Bは、ルーティングテーブルすべてを3~4秒でコンバージし、お客様も認識できるレベルでパフォーマンスを向上させることに成功しました。同社は、基盤となるハードウェアプラットフォームとは独立してルーティングテーブルのコンバージェンスを拡張できるため、専用ハードウェアシステムを使用する場合よりも高速にコンバージェンスできると報告しています。

「完全なルーティングテーブルをコンバージすることは非常に大きな問題となりつつありました」とBaisは説明します。「しかし、vMXでは3~4秒で確実にコンバージすることができます。フルトランジットセッションでさえも数秒で変更できるので、BGPフラップやネットワーク問題が生じた場合、顧客に対してずっと迅速に解決策を提示でき、お客様はそれに気づきます。実際、vMXを使用すると、基盤となるハードウェアプラットフォームからは独立してルーティングテーブルコンバージェンスを拡張できるため、専用ハードウェアシステムからのコンバージェンスが予想する以上に高速になります。」

A2B Internetは、複数のvMX仮想ルーターを使用して、複数のトランジット、ホーミング、ルーターを備えた「ISP in a box」を作成できる、お客様向けの真のマルチホーミング環境をホストできるようになりましたが、これらはすべて既製のハードウェアで実行されるソフトウェアですべて仮想化されています。 

「vMXを当社ネットワークに追加することにより、当社クライアントが当社を信頼する大きな理由である、ネットワークの拡張性、パフォーマンス、冗長性において、付加価値を提供する優れた方法を手に入れました。」とベイス氏は付け加えました。

A2B Internetにとって、vMXは監視と管理機能を改善し、マネージドサービス提供に対して新たな収益機会を生み出します。 

「これは間違いなくより多くのビジネスにつながっていくでしょう」とベイス氏は締めくくりました。「お客様の多くにはマルチホーミング要件がありますが、それを自社で管理する希望や専門知識がありません。私たちはそのやり方を知っています。ジュニパーのソフトウェアベースのvMXは、20年間のソフトウェア機能開発に基づいて構築された完全に仮想化されたISPソリューションを提供できます。これで、非常に高速なコンバージェンス、そして自動化と痛みのないIPv6導入を可能にする非常に安定した環境を備えた費用対効果のソリューションができました。私たちにとって、これは単なるネットワークアップグレード以上のものでした。」

A2B Outcome
A2B Internet創設者、エリック・ベイス
「当社はMXシリーズルーターの機能に精通しており、一度ラボで仮想MXを見て、本番ネットワークに直接移行することにしました。仮想MXは、MXシリーズとJunosオペレーティングシステムの機能と安定性を、最新の仮想パッケージで提供してくれました。」
エリック・ベイス氏 A2B Internet、創業者

2017年3月公開