Customer Success Story
時代遅れのWi-Fi設備からの脱却
日本全国に老舗百貨店や若者向けファッションビルを展開するJ.フロント リテイリングでは、店舗およびオフィスにおいて、POS端末を含む業務上重要な通信を担う数千台のWi-Fi機器の運用がベンダーに依存しており、設定変更やトラブル対応にかかる時間やコスト、性能不足が課題でした。そこで、すべてのWi-Fi機器をジュニパーのMistおよびEXスイッチに一新。網内の通信状況をクラウド管理画面で自ら把握・設定変更可能とし、次なる事業拡大の基盤となる高品質で安定したネットワーク環境を構築しました。
概要
| 会社情報 | J.フロント リテイリング株式会社 |
| 業界 | 小売業 |
| 使用製品 | Wireless Access Points, EXシリーズ, Juniper Wi-Fi Assurance, Wired Assurance |
| 地域 | APAC |
3000+
Mist AP導入数
すべての老朽化したAPを刷新
700+
EXスイッチ導入数
L2/PoEスイッチもMistに統一
420+
1店舗に配備したAPとスイッチの最大数
巨大百貨店店舗に強靭なWi-Fi網を構築
老朽化した機器を単純更新するだけでは、事業の基盤としては物足りない
Wi-Fiが稼働する拠点だけでも50を超え、それらが地理的に離れているJ.フロント リテイリングでは、拠点ごとに通信に求められる要件も環境も異なっています。老朽化したWi-Fi機器では通信に合わせて柔軟にトラフィックを制御するのも難しく、最も重要なPOS端末の通信を優先することで、他が犠牲になることもあり、利用者から通信環境への苦情も発生していました。将来グループ全体でITを今まで以上に活用するためには、性能改善だけでなく、複雑なネットワーク通信を可視化し、自分たちで統合的に運用・管理できる仕組みへの刷新が必要でした。
高度にクラウド管理された3000台のAPと700台のスイッチ
J.フロント リテイリングは、1年半をかけて日本全国3000台のAPをジュニパーMistに、700台のスイッチをJuniper EXシリーズに置き換えました。これらをWired Assuranceライセンスを使ってMistのクラウド管理画面に集約し、1つのMist画面上で、通信の状況、機器の状態、機器の設定のすべてを管理可能な、次世代の無線LAN網を作り上げました。Wi-Fi接続している機器の詳細情報までもがMist画面で表示され、調査にかかる時間が大幅に削減されました。
遅い、つながらない、ベンダーしか調査できない
以前のWi-Fi環境は、拠点ごとに管理ツールが分割されており、統合的な運用が難しい状態でした。拠点内では、販売業務に利用するPOS端末や一般業務に利用するパソコン、来店客向けフリーWi-Fi、サイネージなどが利用され、通信は多岐にわたります。最も重要なPOS端末の通信を最優先とすることで、他のトラフィックが犠牲になることもあり、利用者から「遅い」「つながらない」というクレームも発生していました。
機器の運用がベンダー任せになっていたことも課題でした。障害の切り分けから対応まで外部事業者に依存せざるを得ず、解決までに時間とコストがかかっていました。小売業は店舗や拠点が多く、しかも拠点ごとに環境が異なります。Wi-Fiを使ったIPフォン導入も控えており、ビジネスの変化の速度に合わせて、専門人材が数少ない中でも安定して運用できるように、わかりやすいUIをもち、効率よく迅速に対応や運用ができるWi-Fiの仕組みが必要でした。
クラウド管理でWi-Fi網のすべてを把握する
すべての通信が完全に可視化され、十分なパフォーマンスを発揮でき、プロフェッショナルでなくとも状況がわかる。これらの要件を満たすものとして、J.フロントリテイリングはジュニパーのMistが最適と判断しました。また、無線ネットワークだけでなく、有線ネットワークも少ない労力で統合管理したいというニーズも、Mistによって実現することができました。
Mistのクラウドコントローラは柔軟性が高く、設定をクラウドから各拠点に展開できるうえに個別の細かな要望にも対応できたため、日本全国の拠点への導入も、スムーズに進められました。この新たな大規模ネットワーク環境は、情報子会社のネットワーク担当者数名と各店舗のIT担当で運用しており、店舗POS、業務端末、IPフォン、来店客向けフリーWi-FiなどのすべてがMist上で稼働しています。
問い合わせへの対応もスピーディで的確になったと言います。特に店舗は広いフロアをユーザーが動き回ることから、あとから事象を追うことも可能なMistの管理画面は、強力でわかりやすいUIを持つ調査ツールとして機能しています。
J.フロント リテイリングは、2023年10月に最初の店舗へMistとEXスイッチを導入、それを皮切りに各店舗の導入を進め、2024年度内に予定通り全店舗の更新を完了しました。
EXスイッチを追加導入する決断
当初APとPoEスイッチのみの更新を予定していたJ.フロントリテイリングは、有線・無線を問わず可視化・管理できるMistのWired Assurance機能を知ったことで、有線LANを構成する老朽化したL2スイッチもまとめて更新したほうが、新しいビジネスへの対応力強化のためにはメリットが大きいと考えました。
無線ネットワークだけでなく有線ネットワークも可視化され、一元管理を実現
APだけでなくEXスイッチもMistに統合することで、より少ない労力でLAN全体の統合管理を実現できました
外部ベンダー任せから脱却することでユーザー体験を向上
トラブルの原因を自分たちで調べられるので、問い合わせへの対応もスピーディで的確になりました
ビジネスの可能性を広げる強靭なネットワークを構築
将来グループ内でITを用いたイノベーションが発案されたとき、すぐに対応できる柔軟なネットワーク基盤が整っているという大きなアドバンテージを手に入れました
2025年5月公開