Customer Success Story
「Mist Platform」で、大規模なゲストWi-Fiも、停められないサービスも統合管理
Jリーグプロサッカーチーム・FC今治のホームであるアシックス里山スタジアムでは、大勢の観戦客や来場者向けサービスを提供するショップ、FC 今治やスタジアムの運営スタッフなど、大勢のユーザーが利用するスタジアムWi-Fi環境を整備するため、ジュニパーネットワークスの「Mist」を選定した。スタジアムの屋内外に設置する多数のアクセスポイントとそれらをEthernetでつなぐスイッチをリモートから一元管理でき、安定的なネットワー ク接続を維持するためのAIも備えているため、トラブルなしの快適なWi-Fi環境を維持できるようにな った。
概要
| 会社情報 | ASICS Satoyama Stadium |
| 業界 | メディアおよびエンターテインメント |
| 使用製品 | Wireless Access Points, EXシリーズ, Wired Assurance |
| 地域 | APAC |
高度な管理性
数千人の同時接続にも耐える Wi-Fi
屋内外の広範囲を高密度にカ バーするAPを戦略的に配置
運用の効率化
トラブルゼロを支えるAI運用
MistのAI機能により、トラブル の予兆も可視化し即応
コスト削減
高度な可視化で運用コ スト削減
MistのAIが障害を未 然に察知し、運用負荷 を最小限に
スタジアム運営に欠かせない 施設全体をカバーする大規模Wi-Fi
アシックス里山スタジアムは2023年1月、愛媛県今治市をホームタウンとするプロサッカークラブ・FC 今治の新しいホームスタジアムとして建設された。FC 今治を運営する今治.夢スポーツのグループ会 社によって整備された、日本では数少ない“民設民営”のサッカースタジアムである。
今治市は、戦国時代に瀬戸内海で活動した日本最大の海賊・村上水軍(村上海賊)の名でも知られている。そこでアシックス里山スタジアム全体が海賊船に見立てられた。デッキ(ピッチ)で奮戦する海 賊・FC今治のクルーを応援する観戦者は、桟橋を渡って乗船する。監督やコーチが作戦を練るキャビ ン、運営本部やクルーのオフィスが設置されるブリッジ、試合を中継するブースとなるコンテナ――とい った具合である。将来的には上位リーグのスタジアム基準を満たす施設への強化・拡張を視野に入れて 造られたとのことだ。ただし、アシックス里山スタジアムは単にサッカーの試合を楽しむためだけの施 設ではないと、建設をリードした株式会社今治.夢スポーツ 経営企画室 兼 里山スタジアム統括グルー プの中川寛之氏は述べる。
「美しい今治の自然や景観を望みながら、人と人とが交流し、地域住民の心のよりどころとなる開放的 な里山の施設を目指しました。スタジアム本体である海賊船のほか、周辺にはカフェやドッグラン、複 合福祉施設、キャンプやコンサートに利用できる交流施設なども整備されており、試合のない日でも 里山を大いに楽しむことができます。里山のファームでは、畑で採れた野菜をカフェの料理に活用した り、ワイン造りを目指してぶどうを植えたりしていますし、新設されたFC今治高校の生徒達が利用でき る畑も用意しました。地域と私たちとがいっしょに作り上げている里山を、ぜひ皆さんに楽しんでいただきたいですね」(中川氏)
中川氏らがアシックス里山スタジアムの建設にあたり、注力した設備の1つがITである。例えばJリーグ の観戦チケットは、QRコードとして配布される電子チケットがメインだ。試合のある日はキッチンカー で賑わうが、その支払いはオンライン決済が中心である。もちろんカフェや複合福祉施設、チームや施 設を運営するスタッフの業務にもITは欠かすことはできない。こうしたIT の基礎となる高速ネットワー クサービスは、Jリーグの基準でも整備が必要と定められている。広い施設のほとんどが野外のため、もちろんWi-Fi環境が必須である。
「数千人規模の観戦客向けにWi-Fiサービスを提供するのですし、決済やチケットのサービスが停止するわけにもいきません。私たちのオフィスやスポンサー企業向けのスイートルームも、業務環境として Wi-Fiは欠かせません。非常に大勢の不特定なユーザーが、長時間にわたって、屋内でも屋外でも快適に利用できるWi-Fi 環境を整える必要があったのです」と、中川氏は当時を振り返る。この厳しい条件を満たす無線&有線LANソリューションとして選ばれたのが、ジュニパーネットワークスの提供する 「Mist Access Points & EX Series Switches」であった。
大規模Wi-Fiに最適なMist Platform ― 屋外でも屋内でも快適なネット ワークを維持
アシックス里山スタジアムのITを担ったパートナー企業は、品質、安定性、経済性の観点からMistを推薦した。スタジアムなどの建屋内だけではなく、駐車場や交流施設などの屋外を含む広い敷地に大規模なWi-Fiネットワークを張り巡らせるには、高品質なサービスを安定的に提供するための多数のアクセスポイントを容易に運用管理できること、またコストパフォーマンスが重要であるためだ。くわえて、リモートから統合的に管理できるクラウドコントローラ型であることが望ましい。さらに、施設内を移 動するユーザーが快適に利用できるためには、アクセスポイントが相互に連携し、デバイスにとって最適な接続状態を保つような高度なローミング制御機能も必要だ。Mistは、こうした条件をクリアする 最適な製品だった。
アシックス里山スタジアムでは、オフィスやラウンジなど海賊船内部はもちろん、建屋の外壁、スタジア ムの観客席周辺、スタジアム周辺の電灯など、観客やスタッフが滞在する場所を中心に数多くのMist APを配備した。Mistには、AIがクライアント目線で環境を学習して電波を最適化し続けるなど、トラブルを未然に防ぐ仕組みが搭載されている。また万が一トラブルが発生したときには、運用を担当する事業者に連絡するだけでよい。Mistはクラウドコントローラを介してネットワーク全体の詳細な状況を確認でき、多くの問題はリモートから対処できるようになっているためだ。エンジニアの到着を待つ必要もなく、スピーディに問題を解決できる。
アシックス里山スタジアムのWi-Fi整備にあたっては、ジュニパーのディストリビューターであるネット ワンパートナーズが縁の下の力持ちとして活躍した。ネットワーク運用を担当するパートナー企業を支 援し、いわゆる障害時の保守サービスのほか、実機を用いた技術トレーニングや検証機器の貸し出し、 構築時のQA 対応などのサービスを提供している。国内でいち早くMistを取り扱っていたネットワンパ ートナーズは、さまざまなノウハウやデータを蓄積しており、アシックス里山スタジアムの高度な活用を強力に支援した。
また上述したように、スタジアムの内外に多数のMist APを設置して高密度にエリアをカバーする計画 だったが、コロナ禍や半導体不足で機器の調達が困難な時期でもあった。そこをネットワンパートナー ズがジュニパーネットワークスと連携して支援し、短い納期を維持することができた。
「観戦客は簡単なメールアドレス登録だけで非常に高速なインターネットを楽しめますし、私たちや協 力会社などスタッフの業務環境も非常に快適です。トラブルなしで安定的なWi-Fiネットワークが維持 されているので、FC 今治の活動、カフェやキッチンカーの運営など、アシックス里山スタジアムを支え る皆さんを私たちも支援できているのではないかと考えています」と、スタジアムの運営を担う株式会 社今治.夢スポーツ 里山スタジアム統括グループ グループ長 遠藤政樹氏は述べる。
スタジアムの成長を支えるMist ― 将来的な課題も先進技術に期待
アシックス里山スタジアムは、今後も設備強化を計画している。FC今治が活躍して上位リーグに昇格し ていけば、スタジアムに求められる機能やサービスもますます高度なものとなっていく。その多くはIT によって支持されるもので、下支えとなるネットワーク環境の重要度はいよいよ増していく。
「将来的には大型ビジョンを設置したいと思っていますし、宿泊施設なども必要となるでしょう。スタジ アムだけでなく周辺施設を含めて成長していくことを想定していますので、それを支えるネットワーク設 備も非常に重要な役割を担うと考えています。Mistは 位置情報など高度な機能を有しており、さまざまなサー ビスに活用できると聞いています。FC今治とアシックス 里山スタジアムの発展に伴って、さまざまな新しい課題 も生まれてくると考えています。そのときMistの応用で 解決できることがあれば、積極的に提案してほしいと願 っています」(中川氏)
アシックス里山スタジアムは、試合のある日もない日も 大人も子どもも楽しめる、いっそう魅力的な施設へと成 長していくに違いない。Mistの高い拡張性と高度な先 進技術、ネットワンパートナーズの豊富なノウハウと専 門的な技術力によって、アシックス里山スタジアムの成 長を力強く支えていくことだろう。
*本事例はネットワンパートナーズ株式会社により制作されました。(取材日:2024年4月11日)
2025年9月公開