北陸から全国へITで新たな価値を提供する北電情報システムサービス Wi-Fiに悩むお客さまへマネージドサービスを提供

北電情報システムサービスは、北陸を中心に全国へITやネットワークのサービスを提供しています。Wi-Fiの需要が増え、運用に悩むお客さまから相談を受けていた同社は、Wi-Fiのマネージドサービス化を検討。ジュニパーネットワークスが提供する「Mist」に注目し、技術検証を経て、サービス提供できると判断しました。2023年11月に「FIT-WiFiサービス」をスタート。機器も安価で、運用負荷も少なく、遠方のお客さまにも安心して利用していただけるとお客様からも高く評価していただいています。

概要


会社名 北電情報システムサービス株式会社
業界 クラウド プロバイダ
地域 APAC
北電情報システムサービス株式会社 Image
お客様企業の導入事例の概要

Wi-Fiの運用に悩むお客さまの増加

マネージドサービスとしてWi-Fiの提供

顧客環境の運用が可能かどうかを細かに実証

リモートから遠方の顧客Wi-Fi環境を安定して運用

課題

Wi-Fiのマネージドサービスで企業のDX化を推進

 北電情報システムサービスは1987年、北陸電力の情報システム部門が独立し、同社グループのITサービス事業部門として設立されました。以来、福井、石川、富山の北陸3県を中心に日本全国へシステム開発、構築、保守運用、WANやLAN等のネットワークサービス、データセンターサービス、そして近年はクラウドサービスを積極的に展開し、提供しています。

 「全国的にデジタルトランスフォーメーション(DX)の波が押し寄せています。しかし、地方企業にとって、デジタルによるビジネス変革はハードルが高く、現状、企業の多くはデジタル化を進めているところです。私たちは、企業にとって運用が困難なITをサービスとして提供することで、企業のデジタライゼーションをサポートしていきたいと考えています」と、北電情報システムサービス ITサービス部 IT技術グループ ネットワークチーム統括(上席課長)の石田裕一氏は述べています。

 国内では、中小企業もクラウドを積極的に活用しようとしています。そこで北電情報システムサービスでは、パブリッククラウドへの安全な閉域ネットワークを実現する「FIT-OCX」、パブリッククラウドへの移行、運用や保守をサポートする「FirstOPS」、ネットワークセキュリティを強化する「FIT-SecureEdge」など、幅広いサービスを提供し、DXに向けたクラウド活用を推進しています。

 北電情報システムサービスでは、こうした多様なサービスでお客さまのデジタル化をサポートする中、「Wi-Fi/無線LAN」の導入の相談を多く受けたといいます。働き方改革や業務DXなどの推進によってデバイスやその利用形態が変化したことで、無線LANは企業の主要なネットワークインフラとなりました。こうした流れから北陸電力グループでも2020年ごろからWi-Fi導入の要望が増えました。しかし一方で有線LANと比べて運用やトラブルシューティングが難しいという声が増えていました。

 「当社もWi-Fiの導入や運用支援を個別に提供してきました。しかし、顧客ごとのカスタムサービスになり、技術的に運用が煩雑になりがちで、安価に提供することが困難でした。運用が容易で、小規模から大規模まで広範囲に対応できるテクノロジーとして、クラウドコントローラ型の製品に注目しました」と、北電情報システムサービス ITサービス部 IT技術グループ ネットワークチームの小倉英成氏は振り返ります。

 しかし一方で、あるクラウドコントローラ型製品について「運用しにくい。トラブルが解決できない」というお客さまの相談を受け、技術と製品の選定に悩んでいました。そんな中で北電情報システムサービスは、ジュニパーネットワークスの「Mist」に出会いました。Mistの技術や機能に注目した同社は、Wi-Fiのマネージドサービス化に向けた検証に踏み切りました。

HISS Solution
ソリューション

運用をサポートする機能が豊富なMistを採用

Wi-Fiの運用が難しいのは、電波を利用しているという技術的な特性によります。オフィスに1台でもスマートフォンが増えれば、電波の状態は変化します。そうした変化をリアルタイムに捉えて、状況を把握しやすいように可視化できることが、Wi-Fiサービスの要となります。

 北電情報システムサービスが行った技術検証では、お客さまから相談のあったクラウドコントローラ型製品、オンプレミス型製品、Mistの3製品について、数十の試験項目を基に細かく比較しました。

 「Mistは特にUIが見やすく、直感的に状況を把握しやすい、必要な情報にアクセスしやすいのが特長でした。ほかにも電波を自動調整するAI技術やパケットキャプチャを自動的に取得できる機能、ダッシュボードのリアルタイム更新など、運用をサポートする機能が豊富に盛り込まれており、Wi-Fiサービスの実現に大きく貢献できると感じました。価格も比較的安価で、Mistクラウドへアクセスしやすいという点も、お客さまの負担が小さいという意味で大きな魅力でした」と、北電情報システムサービス ITサービス部 IT技術グループ ネットワークチームの卯尾健氏は述べています。

 北電情報システムサービスは、この検証の結果、Mistを活用することでWi-Fiのマネージドサービス化が可能であると判断。新サービスの開発を進め、2023年11月に「FIT-WiFiサービス」の提供を開始しました。

 もともと北電情報システムサービスではジュニパー製品を導入しており、ジュニパーネットワークスのサポート品質を高く評価していました。FIT-WiFiサービスの実現においてもジュニパーネットワークスからサポートを受け、「検証では調べきれないことなど、ジュニパー担当者にさまざまな質問を投げかけましたが、迅速かつ的確な答えで対応いただきました」と卯尾氏は振り返ります。

HISS Outcome
成果

Mist Cloudにより、リモートでお客様環境を迅速に把握

FIT-WiFiサービスは徐々に注目度を上げており、すでに大阪府の企業へ数十台のMist APを導入しています。このユーザー企業は、さらに全拠点へのFIT-WiFiサービスの採用を計画中です。もともと他のクラウドコントローラ型製品の運用に悩んでいたところで、「Mistクラウドは見やすく、状況が把握しやすくなりました。FIT-WiFiサービスと北電情報システムサービスの手厚いサポートを気に入っている」と同社の情報システム部門の担当者も評価しています。

 「Mist Cloudは、他のクラウドコントローラよりも洗練されており、運用しやすいように設計されています。そのため、リモートからお客さまの状況を迅速に把握できます。個人的には、ダッシュボードに表示する情報を細かにカスタマイズできるのがよいです。トラブルシューティングの内容によって必要な情報は異なるので、運用に欠かせないデータを迅速に探せるようにしています」と、小倉氏は述べています。同氏によれば、ほかにも複数の顧客がWi-Fi製品を検討しており、具体的な導入に向けた商談が進んでいるとのことです。

 「Mistによって、物理環境であるWi-Fi環境をリモートからサービスできるようになったことは、当社のビジネス強化に大きく寄与しました。すでに大阪のお客さまへ富山からサービスを提供していますし、東京やその他の地域のお客さまからの引き合いも増えています。今後もお客さまのクラウドやネットワークのニーズを満たせるよう、サービス拡充に努めたいと思っています。将来的には、無線も有線も統合したマネージドサービスの提供も考えています。ジュニパーにも、これまでどおりの手厚いサポートと先進的な製品と技術の開発を継続し、私たちのビジネスを支えてほしいと願っています」(石田氏)

HISS Outcome
「見えない無線が見えるようになり、遠方のお客さま環境も確実に運用できます。Mistは、富山から全国へサービスを提供するためのビジネス基盤となります」
石田裕一氏 北電情報システムサービス株式会社 ITサービス部 IT技術グループ ネットワークチーム統括(上席課長)

2024年4月公開