Junos Fusion テクノロジー

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製品概要

Junos Fusion テクノロジーを利用すれば、ネットワーク管理者は、Junos オペレーティング システムが稼働している MX シリーズ 3D ユニバーサル エッジ ルーター、QFXシリーズ スイッチ、およびEXシリーズ スイッチを使用して、基盤となるネットワーク構成要素を単一の論理的な管理ポイントに集約し、ネットワークの複雑さと運用コストを削減することができます。IEEE 802.1BR 規格に準拠した Junos Fusion テクノロジーは、マルチベンダー環境におけるネットワークの汎用性、拡張性、および応答性を高める、機能豊富なオープン フレームワークです。

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製品説明

今日、ネットワークの複雑さは増大し続けており、そのため、ネットワーク レイヤー、サービスプロバイダ アクセス ネットワーク、データ センター ネットワーク、そして、エンタープライズ キャンパス ネットワークにおけるネットワーク管理者の負担は増える一方です。そのためネットワーク管理者は、ネットワークに存在する膨大な数のエンドポイントを設定および管理することを目的に、大規模な運用チームを編成することを強いられています。その結果、運用および管理の負担は重くなり、さらには TCO も増大しています。

異種混合環境では、問題はさらに深刻です。ネットワーク管理者は、複数のネットワーク管理システム(NMS)、エレメント管理システム(EMS)、および運用管理システム(OSS)を統合するとともに、システム間でのトラブルシューティングやプロビジョニングの相違にも対処しなければならず、これは人的ミスを引き起こしかねません。

トップオブラック スイッチを備えたクラウド データ センター、ワイヤリング クローゼット内にスイッチが収められたエンタープライズ キャンパス アクセス ネットワーク、マイクロセルおよびマクロセル サイト ルーターを備えたモバイル ネットワーク、さらには、数千もの低速接続が必要な高密度アグリゲーション サイトにある、膨大な数のエンドポイントを仮想化するための費用対効果の高い手段が、今日のネットワーク管理者には必要です。エンドポイントの運用や管理を仮想的にアグリゲーション レイヤーに結合できれば、ネットワーク内で増え続けるエンドポイントをスケールアウトすることの複雑さを解消できます。

Junos Fusion テクノロジー

Junos Fusion テクノロジーは、分散配置されているデバイスを 1 つの論理デバイスとして管理できるようにすることで、ネットワークの複雑さと運用コストを削減します。Junos Fusion アーキテクチャには、Junos Fusion Provider Edge、Junos Fusion Data Center、そして、Junos Fusion Enterprise の 3 種類があります。

Junos Fusion Provider Edge

Junos Fusion Provider Edge はサービス プロバイダ向けのテクノロジで、低速光インターフェイスを適切なコストのスイッチに委任し、1 台のジュニパーネットワークス MX シリーズ 3D ユニバーサル エッジ ルーターから数千個のポートに接続を仮想的に拡張することによって、プラガブル光インターフェイスの物理的な制約の解消を可能にします。

Junos Fusion Data Center

中規模から大規模のデータ センター向けの Junos Fusion Data Center は、ネットワーク設定を自動化し、運用を簡素化します。スパイン レイヤーに最大 4 個の QFX10000 スイッチを配置でき、最大 64 個の QFX5100、QFX5110-48S、QFX5200-32C、および EX4300 トップオブラック スイッチをサテライト デバイスとして自由に組み合わせることができます。

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図1:Junos Fusion Data Center の配置

Junos Fusion Enterprise

エンタープライズ ネットワーク向けの Junos Fusion Enterpriseは、Juniper Networks EX9200 シリーズ イーサネット スイッチや、EX4300、EX3400、EX2300、および EX2300-C スイッチを備えた中規模から大規模のエンタープライズ ネットワークのネットワーク設定を自動化し、拡張作業を簡素化します。Junos Fusion Enterprise テクノロジーは、1 つの建物全体または複数の建物間に配置することが可能で、ファブリック内の大量のデバイス同士を接続して、1 つのデバイスとして管理できるようにします。

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図2:複数の建物にまたがるJunos Fusion EnterpriseとJunos Fusion Data Centerファブリック

Junos Fusion Data Center および Junos Fusion Enterprise 環境では、Junos Space Network Director が提供する一元管理ソリューションを利用して、ネットワーク全体を管理し、ネットワークの俊敏性を高め、コストを削減することができます。Junos Fusion テクノロジーは、目的とする導入シナリオに応じて、さまざまなモードで導入できます。このような構成では、企業の建物とデータ センターにそれぞれ別の VLAN とポリシーを使用するのではなく、すべての建物とデータ センターに同一の VLAN、設定、およびポリシーを使用することができます。

Junos Fusion テクノロジーを利用すれば、サービス プロバイダと企業は、Junos OS ベースのジュニパーのルーティングおよびスイッチング プラットフォームによって、基盤となるネットワーク構成要素を単一の論理的な管理ポイントに集約し、ネットワークの複雑さと運用コストを削減することができます。データ センター、ビジネス エッジ、アクセスおよびアグリゲーションネットワークにおいて、中央のデバイスから大量の 1GbE/10GbE/40GbE/100GbE スイッチ ポートを管理することができ、費用対効果の高い導入を必要とするお客様向けの設計となっています。さらには、簡単なソフトウェア アップグレードだけで、既存のスイッチやルーターを Junos Fusion アーキテクチャに簡単に移行することができるので、これまでの投資が完全に保護されます。

主要コンポーネント

Junos Fusion アーキテクチャは、「アグリゲーション デバイス」と、「サテライト デバイス」という 2 つの主要コンポーネントで構成されています。

  • アグリゲーションデバイス: アグリゲーション デバイスは、Junos Fusion ファブリックのコアとして機能します。1 つまたは 2 つのアグリゲーション デバイスを単一の Junos Fusion ファブリックで使用できます。すべての設定はアグリゲーション デバイスから実行されます。
  • サテライトデバイス:サテライト デバイスは、Junos Fusion ファブリックのアクセス レイヤーを形成します。サテライト デバイスは、アップリンクを介してアグリゲーション デバイスに接続されており、コントロール プレーンはアグリゲーション デバイスに存在しているので、個別に管理する必要がありません。

テクノロジーによりますが、さまざまな製品を、特定の Junos Fusion ファブリック で、アグリゲーション デバイスまたはサテライト デバイスとして使用できます(表 1 参照)。

表1. Junos Fusionたサポートするプラットフォーム
Junos Fusion テクノロジーは、目的とする導入シナリオに応じて、さまざまなモードで導入できます。 アグリゲーション デバイス サテライト デバイス サテライト デバイス モード
Junos Fusion Provider Edge MX Series QFX5100、EX4300 ポート拡張および分散フォワーディング
Junos Fusion Data Center QFX10000 QFX5100, QFX5110-48S, QFX5200- 32C, EX4300 ポート拡張および分散フォワーディング
Junos Fusion Enterprise EX9200 EX4300, EX3400, EX2300, EX2300-C ポート拡張

これらのコンポーネントは、単一のスイッチング システムとして連携し、耐障害性を損なうことなくネットワークを単一の階層に平坦化します。ネットワーク管理者は、1 組のアグリゲーション デバイスと一連のサテライト デバイスで構成された Junos Fusion ファブリックを個別に構築できます。各ファブリックは独立したユニットとなり、単一のデバイスとして管理できます。ファブリックは、ネットワーク オペレータのニーズに基づいて、小規模にも(1 組のアグリゲーション デバイスと少数のサテライト デバイスなど)、大規模にも(数千のポートをサポートする最大 64 台のサテライト デバイスなど)対応することが可能です。

Junos Fusion Enterprise の導入環境では、サテライト デバイスをアグリゲーション デバイスに個別に接続する必要はありません。最大 10 個のサテライト デバイスを標準の 10GbE/40GbE インターフェイスを介して相互接続し、「クラスター」を形成することができます。さらにクラスターは、1 組のファイバー アップリンクを介してアグリゲーション デバイスに接続できます。各サテライト デバイスまたはクラスターは、アグリゲーション デバイスに対してデュアルホームまたはシングルホームで接続することもできます。

Junos Fusion 導入モード オプション

Junos Fusion テクノロジーは、目的とする導入シナリオに応じて、さまざまなモードで導入できます。

  • ポート拡張モード:ポート拡張モードでは、Junos Fusionアグリゲーションデバイスのポートが、Junos Fusion サテライトデバイスに拡張され、サテライトデバイスは、アグリゲーションデバイスのポートの機能を仮想的に維持します。すべての L2 および L3 での決定はアグリゲーション デバイスで処理され、サテライトデバイスは、アグリゲーション デバイスに対して再度接続するだけです。MX シリーズルーター、EX シリーズスイッチ、または QFX シリーズスイッチにおけるJunos Fusionの拡張およびプログラム可能モードの使用例としては、マルチテナントデータ センター環境で、複数のテナントが所有するさまざまなアプリケーションを実行する大量のサーバーに接続することが挙げられます。このとき、サーバーもテナントも互いに通信する必要はありません。
  • 分散フォワーディングモード:Junos Fusion は、ハイパフォーマンスで低遅延のアプリケーション向けに、サテライト デバイス上で分散フォワーディングを実行させるために導入することもできます。

Junos Fusion Enterprise がサポートするのはポート拡張モードだけです。そのため、サテライト デバイスはすべてのトラフィックをアグリゲーション デバイスに転送するだけです。ネットワーク管理者は、単一のデバイスからエンタープライズ キャンパスの建物全体を監視および管理できます。パワーオーバーイーサネットプラス(PoE+)、LLDP-MED、802.1xなどの機能も、Junos Fusion Enterpriseアーキテクチャでサポートされており、エンタープライズキャンパスの要件を満たすことができます。

特長とメリット

表 2:Junos Fusion の特長とメリット
特長 メリット
新しいサービスモデル      
  • データ センター、ビジネス エッジ、およびアクセス/アグリゲーション ネットワークの導入に有効な新しいサービス モデルを利用できます。
柔軟な導入モー
  • Junos Fusion は、単一のアグリゲーション制御ポイントから仮想サテライト デバイスを導入するための柔軟なモデルを提供します。
  • 物理的なシャーシでは不可能な大量のポートをサポートするために、光インターフェイスの物理的な制約が解消されています。
管理の一元化
  • 単一デバイスによる管理ポイントを利用できます。管理ポイントでは、Junos OSに組み込まれた各種機能によって、ハブ デバイスにサテライト デバイスとして接続された大量のデバイスのプロビジョニング、運用、監視、保守、ロギング、およびプラットフォーム検出を実行できます。
  • 大量の低コストデバイスを一元的に管理できるので、ポートファンアウトとポートマルチプレクシング導入の際の、シャーシのポート数の制限を解消し、配線のコストを削減できます。
  • Junos Fusion は、ファブリックデバイスの管理の一元化を実現すると同時に、サテライトデバイス上での L2スイッチングやL3ルーティングなど、スタンドアロンデバイスの機能も維持します。
  • Junos Space Network Director は、スマートで総合的な自動ネットワーク管理ソリューションであり、ネットワーク管理者とクラウド管理者は、データ センター、キャンパス、物理および仮想インフラストラクチャ、有線または無線など、エンタープライズ ネットワーク全体を一元的に、可視化、解析、および制御することが可能です。
インテリジェントネットワーク サービス
  • Junos Fusion は、ファブリック モードのまま個々のデバイスの機能セットをすべて維持することで、サテライト デバイス上での豊富なサービスの展開を可能にします。
  • サーバー ポート アグリゲーションのためのサテライト デバイスでの L2 スイッチング機能と、ビジネス アクセスおよびモバイル バックホールのためのサテライト デバイスでの L3/MPLS ルーティング機能が用意されています。
インテリジェント動作モード
  • 単純なポート マルチプレクサ/デマルチプレクサ設計とは異なり、Junos Fusion Data Center と Junos Fusion Provider Edge は、接続タイプを最適化し、複数のトラフィック タイプで高いパフォーマンスを実現します。
拡張性
  • 将来的にサードパーティー製デバイスをサポートするためのフレームワークが提供されています。

ジュニパーネットワークスのサービスとサポート

ジュニパーネットワークスは、ネットワークの高速化、拡張、最適化を実現する高度なパフォーマンスサービスに対応するリーダーです。当社のサービスをご利用いただくと、コストを削減し、リスクを最小限に抑えながら、業務効率を最大限に高めることが可能となり、ネットワークへの投資から早期に収益を図ることができます。また、ネットワークを最適化することで、必要なパフォーマンスレベルや信頼性、可用性を維持し、卓越した運用を実現します。詳細については、www.juniper.net/jp/ja/products-services をご覧ください。

注文情報

Junos Fusion は、プラットフォームの料金に含まれています。コントローラまたはサテライトプラットフォームのご注文方法については、www.juniper.netを参照するか、販売担当者にお問い合わせください。

ジュニパーネットワークスについて

ジュニパーネットワークスは、世界をつなぐ製品、ソリューション、サービスを通じて、ネットワークを簡素化します。エンジニアリングのイノベーションにより、クラウド時代のネットワークの制約や複雑さを解消し、お客様とパートナー様の日々直面する困難な課題を解決します。ジュニパーネットワークスは、世界に変革をもたらす知識の共有や人類の進歩のリソースとなるのはネットワークであると考えています。私たちは、ビジネスニーズにあわせた、拡張性の高い、自動化されたセキュアなネットワークを提供するための革新的な方法の創造に取り組んでいます。

 

1000523 - 008 - JP 2020年 12月