エンタープライズWANソリューションのメリット

運用効率の向上

大企業では、プライベートMPLSやハイブリッドオーバーレイネットワークに地域別のWANアグリゲーションルーターを追加することで、ネットワークを簡素化することができます。ハブサイトへの低速接続を、高速バックホールをサポートする地域のアグリゲーション層に集約することで、地域の一元管理を可能にし、地域から本社への高速サービスを提供することでハブサイトのパフォーマンスを向上させます。

このソリューションには、ネットワークの運用を簡素化するとともに、コストを削減し、オペレーションエラーを最小限に抑えるための自動化が含まれています。自動化スイートは、JUNOSテレメトリー(JTI)によるネットワークの可視化、Paragon Insightsによるネットワーク健全性の分析、およびParagon Pathfinderによる運用の自動化で構成されています。さらに、これらの自動化ツールは、プログラム可能なフレームワークとして提供されており、ルーティングの決定に影響を与えることを目的としたカスタムルート計算などのアプリケーションを構築することができます。これにより、リージョン内のオペレーティングシステムを標準化し、自動化ツールを活用することで運用を簡素化し、WANアグリゲーション層のプロビジョニングやトラブルシューティングにおけるネットワーク運用時間を節約できます。

ジュニパーネットワークスのMXシリーズ5Gユニバーサルルーティングプラットフォームを使用して、エンタープライズWANソリューションのWANアグリゲーションアーキテクチャは、10Mbpsから100Gbpsまでのリンク速度をサポートします。イーサネット以外のインターフェイスでは、MXシリーズはDS3からOC192までをサポートしています。

また、アグリゲーションハブからリモートサイト(またはホームユーザー)で使用する小型CPE機器まで、すべてのルーターに単一のオペレーティングシステム(ジュニパーネットワークスのJunos®オペレーティングシステム)を採用しています。

運用コストの削減

企業のリモートサイトを地域ごとに集約することで、地域内のサイトに低速のローカルアップリンクを提供することができます。そして、WANバックボーンは、より高速なバックホールトランジットを本社に提供します。企業は、ハブからバックボーン、およびバックホールを経由して本社までの構成をコントロールすることができます。WANバックボーンモデルでは、低速度のリンクを使用しながら、サイトをより高速なトランスポートに集約することで、企業は潜在的に低コストで地域のリモートサイトに高速サービスを提供することができます。

柔軟性と投資価値の向上

MXシリーズのルーターは、豊富なアップグレードオプションに対応しています。ソフトウェアライセンスやモジュラーインターフェイスカード(MIC)を追加することで、アグリゲーションハブの機能や容量を追加することができます。幅広いMXシリーズ(ローエンドまたはハイエンド)のルーターでは、ソフトウェアライセンスを有効にすることで、同じプラットフォーム上でより高速な通信が可能となり、地域の拡大や遠隔地への新たなサービスの追加に対応できます。また、MXシリーズは豊富なインターフェイスタイプをサポートしており、アップリンクはリモートサイトとアグリゲーションハブ間のみで実行されることから、リモートサイトではレガシー回線から高速イーサネットへのアップグレードが容易に行えます。

最終的に、ネットワークは柔軟性とパフォーマンスを考慮して構築されます。堅牢なサービスクラスの実装と、MPLSトラフィックエンジニアリング(TE)、GREやIPSecなどのIPトンネリング、イーサネットプライベートVPN(EVPN)、SPRING、仮想プライベートLANサービス(VPLS)などの柔軟なバックホール機能を組み合わせることで、企業はリモートサイトへのアプリケーションパフォーマンスをより効果的に保証することができ、最終的にユーザーエクスペリエンスを向上させ、ひいては収益を改善することができます。

セキュリティ

エンタープライズWANソリューションとWANアグリゲーションの導入シナリオは、セキュリティを重要な要素として一から構築されています。リモートトラフィックの論理的な分離や、リモートサイト内の異なる事業部の分割も可能です。このように論理的に分離することで、各事業グループが外部の誰と通信できるかをコントロールできるだけでなく、同じ企業内のグループ間の通信や漏洩もコントロールすることができます。

クラウド級の信頼性

企業を継続的に稼働できるのも、エンタープライズWANソリューションの重要なメリットです。MXシリーズのルーティングプラットフォームは、コントロールプレーンとスイッチングプレーンのハードウェアの冗長化、電源と冷却機能の冗長化など、耐障害性を重視して設計されたクラウド級コンポーネントです。

企業がリモートサイトのプライベートサービスプロバイダとして機能する設計モデルでは、WANアグリゲーションルーターの可用性とパフォーマンスを維持する能力がソリューションの成功に不可欠です。ルーティングおよびソフトウェア層では、MPLS高速再ルート(FRR)やオンデマンドパスなどのMPLSレジリエンスメカニズムがサポートされており、本社へのバックホールルーティングに影響を与えるコアの問題から迅速に復帰することができます。

MXシリーズは、マルチシャーシを採用しています。複数の地域のアグリゲーションポイントへのアップリンクでハードウェアの冗長性を確保する場合、マルチシャーシのリンクアグリゲーショングループ(LAG)とバーチャルシャーシをサポートし、単一のサイトで複数のアグリゲーションポイントに対して冗長的に接続しながら、そのアップリンクを1つの論理アップリンクとして表示することができます。