ジュニパーネットワークス デバイスで実行されている OVSDB プロトコルについて
OVSDB(Open vSwitch Database)管理プロトコルのジュニパーネットワークス Junos OS 実装は、OVSDB をサポートするジュニパーネットワークスデバイスが SDN(Software-Defined Networking)コントローラと通信するための手段を提供します。ジュニパーネットワークスのデバイスは、SDNコントローラと制御および統計情報を交換するため、仮想ネットワーク内のエンティティからの 仮想マシン(VM) トラフィックを物理ネットワーク内のエンティティに転送することができ、その逆も可能になります。
OVSDB の Junos OS の実装には、OVSDB サーバーと OVSDB クライアントが含まれており、どちらも OVSDB をサポートするジュニパーネットワークスの各デバイスで実行されます。
ジュニパーネットワークス デバイス上の OVSDB サーバーは、SDN コントローラ上の OVSDB クライアントと通信できます。ジュニパーネットワークスのデバイスとSDNコントローラの間に接続を確立するには、各ジュニパーネットワークスデバイス上のSDNコントローラ(IPアドレス)と接続(接続が発生するポートと使用する通信プロトコル)に関する情報を指定する必要があります。設定が正常にコミットされると、Junos OS設定で指定したジュニパーネットワークスデバイスの管理ポートとSDNコントローラポートとの間に接続が確立されます。
OVSDB サーバーは、物理デバイス用に定義された OVSDB データベーススキーマを保存および維持します。このスキーマには、ジュニパーネットワークスのデバイスおよび SDN コントローラ上で OVSDB クライアントから提供される制御および統計情報が含まれています。この情報は、スキーマ内のさまざまなテーブルに格納されます。OVSDB クライアントは、この情報に対する追加、削除、変更のスキーマを監視し、仮想ホストや物理サーバーの MAC(メディア アクセス制御)アドレスの学習など、さまざまな目的で使用されます。
このスキーマは、ジュニパーネットワークスのデバイスと SDN コントローラが情報を交換する手段を提供します。たとえば、ジュニパーネットワークスデバイスは、物理ネットワーク内のエンティティへのMACルートをキャプチャし、この情報をスキーマ内のテーブルにプッシュすることで、これらのジュニパーネットワークスデバイスに接続したSDNコントローラがMACルートにアクセスできるようにします。反対に、SDN コントローラは、仮想化ネットワーク内のエンティティへの MAC ルートをキャプチャし、この情報をスキーマ内のテーブルにプッシュして、SDN コントローラに接続したジュニパーネットワークスのデバイスが MAC ルートにアクセスできるようにします。
OVSDB テーブル名の中には、 ローカル または リモートの単語( ユニキャスト MAC ローカル テーブルやユニキャスト MAC リモート テーブルなど)が含まれている場合があります。 ローカル テーブルの情報は、ハードウェア 仮想トンネルエンドポイント(VTEP)として機能するジュニパーネットワークスデバイスによって学習され、 リモート テーブルの情報は他のソフトウェアまたはハードウェアVTEPから学習されます。