EX4300 スイッチ ハードウェアの概要
ジュニパーネットワークス EX4300 イーサネット スイッチは、ネットワークの拡大に対応可能な高密度な環境と拡張性を実現する、優れた接続性を提供します。 このスイッチは、ギガビット イーサネット ポート(24~48 ポート)の高密度な接続や冗長性を必要とするあらゆる場所に配置できます。 通常 EX4300 スイッチは、大規模な支店環境、キャンパス ワイヤリング クローゼット、データ センターに使用します。 データ センターでは、EX4300 スイッチをトップ オブ ラック スイッチとしてラック内の最上位に配置して、ラック内のすべてのデバイスへの接続性と同時に、最適な気流を選べるオプション(ホット アイル/コールド アイル)を提供します。
EX4300 スイッチには、PoE+ サポートあり/なしの 24 ポートと 48 ポートのモデルがあり、4 個の 40 ギガビット イーサネット QSFP+(クアッド スモール フォームファクタ プラガブル)ポートが備わっています。 EX4300 スイッチの全モデルで、1 ギガビットまたは 10 ギガビットの SFP/SFP+ トランシーバに対応する、4 ポートの 10 ギガビット イーサネット SFP+ アップリンク モジュールをオプションで実装することもできます。
EX4300 スイッチは、ジュニパーネットワークス Junos オペレーティング システム(Junos OS)を実行する他のデバイスを管理するのと同じインターフェイス(コマンドライン インターフェイス(CLI)、J-Web グラフィカル インターフェイス、Junos Space)を使って管理できます。
本トピックでは、以下について説明しています。
ソフトウェア
ジュニパーネットワークス EX シリーズ イーサネット スイッチは、レイヤー 2 およびレイヤー 3 のスイッチング機能、ルーティング機能、セキュリティ サービスを提供する、Junos OS 上で動作します。 EX シリーズ スイッチ上で動作する Junos OS コードベースは、ジュニパーネットワークス J シリーズ、M シリーズ、MX シリーズ、T シリーズのすべてのルーターと、SRX シリーズ サービス ゲートウェイでも動作します。 スイッチのソフトウェア インストールに関する情報は、ソフトウェア インストール(英語)を参照してください。
EX4300 スイッチの概観
EX4300 スイッチは、高密度のギガビット イーサネット データ センターのトップ オブ ラックや、企業、キャンパス アグリゲーション/コア デプロイメントに接続性を提供します。 EX4300 スイッチは、大規模な支店環境、キャンパス ワイヤリング クローゼット、データ センターに使用できます。 データ センターでは、このスイッチをラック内の最上位に配置して、ラック内のすべてのデバイスに接続性を提供すると同時に、最適な気流を選択できます(ホット アイル/コールド アイル)。
EX4300 スイッチには、24 ポートまたは 48 ポートの 10/100/1000BASE-T イーサネットベース モデルがあり、AC または DC 電源付きで、PoE+ サポートの有無と気流方向を選べます。 EX4300 スイッチ モデルを参照してください。
EX4300 モデルには、バーチャル シャーシでスイッチを接続するネットワーク ポートまたはバーチャル シャーシ ポート(VCP)として使用可能な、40 ギガビット イーサネット QSFP+ ポートが 4 個あります。 さらにオプションのアップリンク モジュール ポートを使うことにより、バーチャル シャーシのメンバーをワイヤリング クローゼットを超えて接続できます。
図 1 は、24 個の 10/100/1000BASE-T イーサネット ネットワーク ポートを搭載した EX4300 スイッチのフロント パネルを示しています。 図 2 は、48 個の 10/100/1000BASE-T イーサネット ネットワーク ポートを搭載した EX4300 スイッチのフロント パネルを示しています。
図 1: 24 個のギガビット イーサネット ポートを搭載した EX4300 スイッチ

図 2: 48 個のギガビット イーサネット ポートを搭載した EX4300 スイッチ

図 3 は EX4300 スイッチのリア パネルを示しています。
図 3: EX4300 スイッチのリア パネル

EX4300 スイッチは、以下をもってキャリアクラスの信頼性を実現しています。
- ホットインサートやホットリムーブに対応したフィールド交換可能ユニット方式の、負荷分散型冗長デュアル電源。
- フィールド交換可能ユニット(FRU)方式の 2 つのファン モジュール。
- バーチャル シャーシ構成内の冗長化されたルーティング エンジン。 この冗長構成により、グレースフル ルーティング エンジン スイッチオーバー(GRES)が可能になります。
- システム プロセスの障害発生時にグレースフル リスタート可能なモジュラー設計の Junos OS。
アップリンク モジュール
EX4300 スイッチは、オプションで 4 ポートの SFP+ アップリンク モジュールをサポートするため、1 ギガビットの
SFP トランシーバまたは 10 ギガビットの SFP+ トランシーバ、あるいは SFP と SFP+ の混成を 4 個まで装着できます。
このアップリンク モジュールのポートを使用して、他のデバイスにスイッチを接続できます。 また、10 ギガビット イーサネットの SFP+
アップリンク モジュール ポートを VCP として構成し、それを使って EX4300 スイッチを相互接続して、バーチャル シャーシを構築することもできます。
アップリンク モジュールの詳細については、EX4300 スイッチのアップリンク モジュール を参照してください。
バーチャル シャーシ
最大 10 台の EX4300 スイッチを相互接続して、EX4300 スイッチのバーチャル シャーシを構築できます。 このように相互接続されたスイッチは、1 つの IP アドレスを持った 1 つの論理デバイスとして動作させることができます。
EX4300 スイッチのバーチャル シャーシの構成に使用可能なポートは次のとおりです。
- VCP として構成された、40 ギガビット イーサネット QSFP+ ポート
- VCP として構成された、10 ギガビット イーサネット SFP+ アップリンク モジュール ポート
デフォルトでは、40 ギガビット イーサネット QSFP+ ポートは VCP として構成されています。
電源
EX4300 スイッチの各モデルは、異なる向きの気流に対応した AC または DC 電源をサポートしています。 EX4300 スイッチの電源は完全冗長構成の負荷分散型で、ホットリムーブやホットインサートに対応した FRU です。
電源の表面には、気流方向を示すラベル(AIR IN(AFI)または AIR OUT(AFO))が貼られています。 AIR IN(AFI)ラベルはバックツーフロントの気流、AIR OUT(AFO)ラベルはフロントツーバックの気流を表しています。
表 3 は、EX4300 スイッチで使用されている AC および DC 電源とその気流方向を示しています。
表 3: EX4300 スイッチの電源の気流方向
電源定格 | 電源のラベル | 気流方向 |
---|---|---|
350 W AC | AIR IN(AFI) | バックツーフロント — シャーシを冷却する空気がシャーシのリア パネルの吸気口から取り込まれ、温まった空気がシャーシのフロント パネルの排気口から排出されます。 |
350 W AC | AIR OUT(AFO) | フロントツーバック — シャーシを冷却する空気がシャーシのフロント パネルの吸気口から取り込まれ、温まった空気がシャーシのリア パネルの排気口から排出されます。 |
715 W AC | AIR OUT(AFO) | フロントツーバック — シャーシを冷却する空気がシャーシのフロント パネルの吸気口から取り込まれ、温まった空気がシャーシのリア パネルの排気口から排出されます。 |
1100 W AC | AIR OUT(AFO) | フロントツーバック — シャーシを冷却する空気がシャーシのフロント パネルの吸気口から取り込まれ、温まった空気がシャーシのリア パネルの排気口から排出されます。 |
550 W DC | AIR IN(AFI) | バックツーフロント — シャーシを冷却する空気がシャーシのリア パネルの吸気口から取り込まれ、温まった空気がシャーシのフロント パネルの排気口から排出されます。 |
550 W DC | AIR OUT(AFO) | フロントツーバック — シャーシを冷却する空気がシャーシのフロント パネルの吸気口から取り込まれ、温まった空気がシャーシのリア パネルの排気口から排出されます。 |
詳細は、EX4300 スイッチの冷却システムと換気 を参照してください。
![]() | 注意: 以下の混在は行わないでください。
|
ファン モジュール
EX4300 スイッチの各モデルは、スイッチのリア パネルに 2 つのファン モジュールを装着して出荷されます。 ファン モジュールは、ホットインサートやホットリムーブに対応したフィールド交換可能ユニット(FRU)です。
ファン モジュールには、気流方向(AIR IN(AFI)のラベルが貼られたバックツーフロント、AIR OUT(AFO)のラベルが貼られたフロントツーバック)が異なる 2 つのモデルがあります。 EX4300 スイッチの冷却システムと換気 を参照してください。
![]() | 注意: 気流のラベル(AIR IN(AFI)と AIR OUT(AFO))が異なるファン モジュールを同じシャーシで混在させないでください。 |
EX4300 スイッチのコンポーネント
図 4 は、24 個のギガビット イーサネット ポートを搭載した EX4300 スイッチのフロント パネルのコンポーネントを示しています(SFP+ アップリンク モジュールを装着)。
図 4: 24 個のギガビット イーサネット ポートを搭載した EX4300 スイッチ

1 — Mini-USB コンソール ポート | 5 — LCD パネルの [Enter] ボタン |
2 — LCD パネル | 6 — SFP+ アップリンク モジュール(オプション) |
3 — LCD パネルの [Menu] ボタン | 7 — ネットワーク ポート |
4 — シャーシ ステータス LED |
図 5 は、48 個のギガビット イーサネット ポートを搭載した EX4300 スイッチのフロント パネルのコンポーネントを示しています(SFP+ アップリンク モジュールを装着)。
図 5: 48 個のギガビット イーサネット ポートを搭載した EX4300 スイッチ

1 — Mini-USB コンソール ポート | 5 — LCD パネルの [Enter] ボタン |
2 — LCD パネル | 6 — SFP+ アップリンク モジュール(オプション) |
3 — LCD パネルの [Menu] ボタン | 7 — ネットワーク ポート |
4 — シャーシ ステータス LED |
図 6 は、EX4300 スイッチのリア パネルのコンポーネントを示しています(2 台の AC 電源を装着)。
図 6: EX4300 スイッチのリア パネル

1 — 管理ポート | 7 — スロット 1 の AC 電源 |
2 — ESD ポイント | 8 — 電源のスロット番号 |
3 — スロット 0 のファン モジュール | 9 — ファン モジュールのスロット番号と LED |
4 — QSFP+ ポート | 10 — QSFP+ ポートの LED |
5 — スロット 1 のファン モジュール | 11 — USB ポート |
6 — スロット 0 の AC 電源 | 12 — コンソール ポート |
![]() | 注: 保護接地端子はシャーシの左側にあります。 EX シリーズ スイッチにアースを接続する を参照してください。 |